お客様と接するあらゆる仕事で「接遇マナー」は大切です。しかし、接遇マナーの難しさとは、絶対的な正解が存在しないことでしょう。いろいろな個性のお客様と向き合い、その人の気持ちや状況に寄り添ったサービスをタイミングよく、ときに先読みして提供することが求められるからです。
このようなサービスを自然にできるようになるには長年の経験が必要であり、若手のスタッフには難しい面もあります。しかし、「接遇5原則」と言われる接遇マナーのポイントを意識すると、初心者でも効果的にスキルを伸ばせます。
この記事では、接遇マナーの基本である「接遇5原則」や、接遇と接客との違いについて解説します。最後まで読むと接遇マナーについての理解が深まり、スキル向上に役立てることができるでしょう。
目次
接遇マナーとは?
接遇の「接」は接する「遇」はもてなすという意味です。「接遇」とは、お客様に対しておもてなしの気持ちをもって、適切な態度や言葉遣い、マナーで接することを意味します。
接客との違い
接客と接遇は、基本的な意味が異なります。接客はお客様に対する応対を意味する言葉であり、接遇は接客の要素も含む広い概念です。
簡単にいうと、接客は売り場の案内や支払い対応など基本的なサービスを提供することで、接遇はお客様の気持ちや状況を把握した上で、最適なサービスを提供することです。例えば、幼い子どもを連れてレストランを訪れたお客様に「ようこそ、いらっしゃいませ」とカウンターで声をかけるのは接客です。一方、このような対応に加えて、風船を子どもにプレゼントしてくれるサービスを即興で付加することは接遇といえます。
接遇の目指すところは、お客様が快適にサービスを受けられるように配慮することです。もちろん、社会では接遇レベルのサービスを接客と捉えている方も多いと思いますが、ここでは正確な言葉の意味を理解しておきましょう。
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接遇5原則とは?
接遇マナーには5つの原則があります。接遇マナーを身に付ける際のポイントとして、この5つを常に意識すると効率的に接遇スキルを高めていけるでしょう。
原則①:挨拶
明るくさわやかな挨拶をするとお客様に好印象を与えることができます。第一印象がよいと、その後の応対もスムーズに進められます。
挨拶の際に気をつける点は、相手の方に身体を向けて、目を見て、聞き取りやすい言葉で挨拶をすることです。また、挨拶に加えて「今日はいい天気ですね」などの一言を添えるのも状況によっては効果的です。多忙なときは挨拶がぞんざいになりやすいので、忙しいときほど丁寧な挨拶をするように心がけましょう。
最後の挨拶も大切です。素晴らしい対応をしても最後がおざなりだとお客様の満足度が低下してしまいます。逆にたとえ途中で不手際があっても最後の挨拶が丁寧だと、好感度が多少アップします。しっかり心を込めて「ありがとうございました」と挨拶しましょう。
最初と最後が肝心です。
原則②:身だしなみ
身だしなみとは、相手に配慮して自分の身を綺麗にしたり、身に付けるアイテムを決めたりすることです。まず、髪型は清潔感を重視します。髪がボサボサになっていないか?前髪が目にかかっていないか?などに注意しましょう。
服装はTPOや業種に合わせて最適なものを選びます。例えば、勤務先が百貨店であればフォーマルな雰囲気とマッチする服装を、介護施設であれば動きやすく装飾がない服装を選ぶといった具合です。
接遇における身だしなみを考えるポイントとは、おしゃれとはまったく別物だと理解することです。おしゃれは自分を魅力的に見せることを優先しますが、接遇は相手に不快な思いを与えないようにすることが優先となります。徹底した第三者目線にたって自分を整える必要があります。
原則③:表情
初対面で第一印象を決めるのは表情です。接遇においては明るい笑顔を作ることが特に重要となります。人間は自分に対して好意を持つ相手に対しては、好意を返そうとする傾向があります。明るい表情でお客様に接するとお客様も好感を持ち、笑顔を返してくれる可能性が高まります。
お客様と相対するときだけ表情をつくるのは難しいので、毎日、鏡の前で口角を上げてにこやかな表情を作る練習をしましょう。また、普段の表情は年齢を重ねるごとに顔に刻まれていきます。お客様と接しないプライベートタイムであっても、常に自分の表情を意識することが大切です。
原則④:言葉遣い
接遇では敬語が基本です。その上で相手の年齢や立場に応じた言葉を使います。特定の年代にしか通じないような言葉の使用は控えるなどの配慮も必要です。
敬語であっても、不自然な表現や必要以上にへりくだった言葉遣いは相手に居心地の悪さを感じさせたり、慇懃無礼になったりすることがあるので注意しましょう。また、敬語自体に慣れていないと言葉が上滑りして聞こえるものです。自然で感じのよい敬語を使えるようになるまで、声に出して練習することがポイントです。
原則⑤:態度
態度とは、歩き方や立ち方、物の渡し方などの立ち居振る舞いのことです。
人は自分の態度のクセになかなか気づくことができません。例えば、姿勢が悪い、目をあまり合わせない、といったクセがあると、良い印象は与えられないでしょう。しかし、こういった小さなポイントは大きなクレームに発展しづらいため、ずっと改善されないままになる可能性があります。
態度を一朝一夕に改善するのは難しいので、日頃から以下のポイントを意識して丁寧な立ち居振る舞いを心がけましょう。
- 立つときはかかとを揃える
- 背筋を伸ばす
- 物を渡すときに手を添える
- 相手の目を見て話す
何より、気持ちが自然と態度に現れてしまうものなので、お客様に対して敬意を持って接することを忘れないようにしてください。
まとめ
接遇はお客様の第一印象を決定づけるものであり、一人のスタッフの接遇マナーがサービス全体の印象に大きな影響を与えます。
接遇の基本はお客様を思いやる心です。接遇マナーを身に付けることはお客様への敬意です。接遇の5原則(挨拶・身だしなみ・表情・言葉遣い・態度)を理解し、日々の仕事や生活で実践して、接遇マナーを向上させていきましょう。
接遇マナーが身に付いている人は立ち姿が美しく、周囲に居心地のよい雰囲気を醸し出します。マニュアルにないような想定外のことが起きても、にこやかに落ち着いて正しい振る舞いができます。接遇マナーの向上は自分の自信にもつながりますので、ぜひ取り組んでみてください。
採用インフォメーション
接遇が特に重視される職種にショップの販売員があります。
ボーコンセプトでも販売員を募集しています。ボーコンセプトでは、セールスアソシエイト(SA)と呼ばれ、お客様に対するコンサルティングセールスを担当します。仕事は単なる家具の販売にとどまらず、お客様の生活状況をヒアリングして、家具販売を通じて、よりよい空間デザインを提案します。
ときにはお客様のご自宅を訪問して、生活空間全体をトータルでプロデュースすることもあるなど、お客様と強い関わりを持ちます。そのためお客様に寄り添い、おもてなしの気持ちで接し、信頼されることが必須となります。接遇マナーを最大限に活かせる仕事の一つが、セールスアソシエイトといえるでしょう。
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