販売や接客の仕事につく人にとって、提案力は非常に重要な能力です。お客様は好みも感性も商品に対する知識も千差万別であるため、アドバイザーやコンサルタントのように接しながらニーズを把握し、最適な提案をしなければいけません。
ただし、提案力を高めるといっても漠然としていて何をどのように取り組めばよいかイメージできない方もいるでしょう。そこでこの記事では、提案力を高めるための方法や具体的に活用できるテクニックなどをご紹介します。
目次
提案力とは
提案力とは顧客ニーズを的確にとらえ、自社の商品・サービスを軸に解決法を組み立ててわかりやすく伝える能力を指します。
提案力は、傾聴力や質問力、プレゼンテーション力などが複合的に求められる総合スキルです。例えば、お客様の要望を聞き出すのが得意でも、それをうまく伝える力や実現できる知識・アイデアがないとよい提案にはつながりません。反対にプレゼンテーションだけが上手くても、そもそもお客様の本当のニーズを把握していなければ、的外れな提案になってしまうこともあります。
提案力を高めるには、提案力を構成する要素を把握し、自分は何が得意で何が不得手なのかを理解し、バランスよくすべてのスキルを高めていく必要があります。
営業や接客で求められる理由
提案力はビジネスシーンのさまざまな場面で必要ですが、特に営業や販売など商品・サービスを提供する現場では特に重要です。オンラインで品物が購入できる現代に、わざわざ店舗に立ち寄るお客様は、スタッフに専門知識をもとにしたアドバイスや提案を求めています。
押し売りのようなセールスは論外です。単にお客様の要望どおりに商品を探す姿勢も理想的ではなく、お客様の期待を超える提案が求められています。
特に、インテリア業界のように専門知識が必要でお客様の嗜好性がバラエティに富んでいる業界は、スタッフの提案スキルが商品の価値以上に売上に大きく影響を与えるといっても過言ではありません。
サービス業界に役立つスキルについては、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:サービス業界に役立つ!今学ぶべきビジネススキルを紹介
提案力向上に必要なスキル・能力
提案力を分解すると、ヒアリング段階における傾聴力・質問力などのコミュニケーション力と、提案内容をまとめる段階での思考力や提案時のプレゼンテーション力に分けられます。一つひとつのスキルを理解して高めていきましょう。
傾聴力
傾聴力とは、単に相手の話す内容を聞くのではなく、相手の表情や声、身体の動きなどからも気持ちを察知しながら話を聴いて、相手が伝えたいことを引き出す力です。
まず聴くことに集中し、適切なタイミングで頷いたり表情を変えたりするなど身体言語を使って話を理解していることを示します。8割聴いて2割返すくらいの比率が理想です。このように相手の感情に共感することで安心して話をしてもらい、ニーズを深堀りしていきます。
傾聴力については、こちらの記事もご覧ください。
質問力
質問力とは、お客様に不明点・疑問点などを上手に問いかけるスキルです。タイミングのよい簡単な質問は会話のリズムをよくします。また、質問の仕方によって潜在ニーズを引き出すことができます。
「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」を組み合わせます。クローズドクエスチョンは「青がお好きですか?」といったイエス・ノーで回答できる質問です。オープンクエスチョンは「どんな色がお好きですか?」といったお客様が自由に語りやすい質問です。
洞察力
洞察力とは、顧客が自分でも気づいていないようなニーズを察する能力です。自分の思いを言語化するのが苦手な人は多く「こういったサービスが欲しい」という言葉はヒントにはなりますが、真の願望とは異なるケースがあります。
洞察力を高めるためには、言葉だけでなく表情や雰囲気、目線などにも目を配って相手の思いを察する観察力を高めることが必要です。また、第一印象などによって先入観を持たずフラットな気持ちで接することが大切です。
顧客ニーズについては、こちらの記事もご覧ください。
関連記事:顧客ニーズとは?理解することの重要性や正しい分析方法を紹介
論理的思考スキル
お客様のニーズを把握できたら、次に重要になるのはそれを具現化する能力です。ニーズや課題に対し、どのような提案をすれば実現できるか仮説を立ててまとめる「論理的思考スキル」が求められます。
お客様の望みや夢を、豊富な商品知識のもと現実的な理想プランや代替できるプランに落とし込みます。「ニーズに対し選択肢は〇つあり、その中では〇〇という理由なので〇が最適です。ちなみに代替案として〇もあります」と、筋道立てて考えます。
プレゼンテーションスキル
提案をわかりやすく説明するプレゼンテーションスキルも重要です。伝わるように説明するために有効な以下のフレームワークがあります。顧客のタイプによって適切なものを活用しましょう。
・SDS法:冒頭で結論→背景説明→全体説明
・PREP法:結論→根拠→具体例→再び結論を説明
・FABE法:特徴を提示→自社の優位性→メリット→証拠を提示
また、わかりやすい提案資料を用意し、質問も想定して回答を用意しておきましょう。
こちらの記事もご覧ください。
関連記事:プレゼンテーションの成功に必要なスキルとは?スキルを高める方法も解説!
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提案力を高めるメリット
提案力を高めるとその素晴らしい内容に感心したお客様から信頼されます。そのときの受注だけでなく長期にわたり取引が続きやすくなります。自分の営業成績がよくなり、会社の収益安定にも貢献できます。
信頼関係の構築
よい提案を受けると、人は「自分のことをわかってくれた」「自分のためにここまで考えてくれた」という気持ちになります。自分が思っていても表現できなかったニーズを言語化されれば、販売員の能力を高く評価するでしょう。提案力の高い販売員は、その内容だけでなく能力と人間性を高く評価されるので信頼されるようになります。
営業力の強化
提案力を高めようとする過程で、傾聴力や質問力が身につきます。自社の商品やサービスについての知識や商品の特徴や利点、競合他社との比較などを理解する必要もあるので知識も深まります。問題解決の道筋を提示するための思考力やプレゼンテーション力も身につくため、結果的に営業力が強化されます。
Win-Winな関係を作る
お客様のメリットばかり追求し自社を顧みない提案は赤字になります。逆にあまりに自社のメリットばかりを追求するとお客様は満足することができません。提案力を高めると、顧客のニーズや目標を深く理解したうえで、自社の商品を軸にしたお互いにプラスになる提案ができます。そのためWin-Winな関係性を構築することができます。
提案力を高める方法
提案力を高めるためには、日々の仕事でお客様からヒアリングする段階での意識の持ち方が重要です。また、商品知識を深めてケーススタディに詳しくなりましょう。プレゼンテーションする際の言葉選びにも気をつけてください。
仮説ベースのヒアリング
あまりに質問が多いとお客様は面倒に感じてしまうものです。既存のお客様の場合、調べればわかる情報は事前に把握しておくことが基本です。
そのうえで行動や反応を観察し、仮説を立ててヒアリングしましょう。例えば「今年はこの〇〇というテイストがトレンドですが、お好みですか?」と質問します。もし「そうですね」と答えた場合、さらにニーズを聞き出すきっかけになります。仮に外れてもその答えがヒントになり会話を進展させることができます。
顧客と自社の視点をもった提案
提案力とは、相手が何を求めているかを的確にとらえて自社の商品・サービスを活用してどう解決できるかを伝える能力です。Win-Winの関係性になれるように顧客視点・自社視点を持つことが大切です。
まず、ヒアリングでお客様の目標(ゴール)を明確にします。そのうえで自社が実現できるプランを組み立てます。お客様の理想を実現できる提案をするためには、自社商品とその活用事例に対する幅広い知識が必要です。
顧客に合わせたプレゼンテーション
顧客にとって理解しやすい言葉を選びストーリー立てて提案します。その人の年齢や性別、ついている職業などによって伝わりやすい言葉は異なります。商品知識もさまざまです。
専門用語を使わず平易な言葉で説明したほうがよい人もいれば、専門用語を使ったほうが伝わりやすい人もいるでしょう。淡々と手短にプレゼンするほうが効果的な人もいれば、明るく熱のこもったプレゼンを好む人もいます。相手に伝わりやすい表現方法を意識しましょう。
まとめ
提案力とは、販売の現場で必要になる傾聴力や質問力、洞察力、プレゼンテーション力などさまざまなスキルの集大成です。まず、自分の得意なスキルと苦手なスキルを把握し、弱点を強化することから優先しましょう。提案の成功率が高まるはずです。
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