コミュニケーション能力の高い人は、初めて会った人ともスムーズに会話を弾ませることができます。これは相手の話をきちんと聴くだけでなく、要所で適切な質問をしているからです。
一見、何ら意味のない質問をしているように見えるかもしれませんが、適切なタイミングで適切な質問ができる「質問力」は、実は高度なスキルです。営業や販売に携わる人であれば受注率にも影響します。本記事では質問力とは何か?鍛えるメリットと話法やトレーニング方法をご紹介します。
目次
質問力とは
質問力とは、確認したいことや疑問点などを適切に問いかけて、相手の真意を理解する能力です。質問力は家族や友人との対話、職場や取引先との対話など、人と人が話すあらゆるシーンで役立ちます。
営業や接客の場において効果的な質問ができれば、顧客の本音を引き出したり顧客に新たな気付きを提供したりできます。質問力は顧客ニーズを適切に理解して提案をおこなううえで、傾聴力とともに高めるべき非常に重要なスキルです。
質問力を鍛えるメリット
質問力を鍛えると、会話がリズムよく展開するようになります。また、相手と信頼関係を結びやすくなる、情報がたくさん得られる、相手に異なる視点を提供できるなどのメリットがあります。以下に具体的に解説します。
相手との信頼関係の構築
人は、良い質問をされると相手が自分や自分の話に関心を持っていると感じるため質問した人に好感を持ちます。また、質問をした側も質問の答えによって相手の考えをより理解できるのでコミュニケーションが深まります。
営業や接客などのビジネスの場において、適切な質問は、顧客を理解しようとする姿勢の表れでもあります。良い質問は顧客に誠実な印象を与えます。また、顧客を理解したうえでの質問は高く評価されます。質問力が高いと顧客と信頼関係を結びやすくなります。
解決に必要な情報の収集
一般に顧客は、営業担当者や販売員に対して初期はなかなか情報を開示してくれません。「一方的に何かを売りつけられるのでは?」という心配を持つためです。そこですぐ売ろうとせずに、相手のニーズを理解するために質問すると安心し、情報を出してくれるようになります。
また、質問力が高いとさまざまな切り口の質問ができるため、顧客から質の高い情報を多く引き出すことができます。課題解決につながるヒントが集まるため、良い提案ができます。
相手に深い思考を促進
質問力が高いと相手の思考を促すことができます。例えば、話した内容に対して詳細を深掘りする目的で問いかけることで、相手がより深く考えるようになります。別の視点からの質問によって、相手が気づいていなかったニーズを発見してもらえることもあります。
適切な質問を交えた対話によって、顧客はいろいろな角度で考えることができます。その結果、問題の真の原因や本当のニーズに気づき、より意思決定ができるようになります。
質問の種類
質問には複数の種類があり、それぞれ相手に与える効果が異なります。各質問の長所や短所を理解して適切なタイミングで使えるようになりましょう。組み合わせることも有効です。以下に6つの話法をご紹介します。
拡大質問・限定質問
拡大質問(オープンクエスチョン)とは、自由に回答してもらう質問です。顧客が自分の考えを語りやすいところが長所です。ただし、考えがあまりまとまっていない場合は会話が成り立ちにくい面があります。また、相手に負荷がかかる質問です。
例:「どのようなインテリアスタイルがお好きですか?」
一方、限定質問(クローズドクエスチョン)は「はい」「いいえ」など二択で回答してもらう質問です。相手が気軽に答えられる長所がありますが、会話がそこで完結してしまう面もあります。
例:「オーガニック素材はお好きですか?」
初期には限定質問をいくつか繰り返し、話の要所で拡大質問をするなど、状況に応じて組み合わせて使うことがポイントです。
過去質問・未来質問
過去質問は、過去に経験したことについて聞く質問です。営業や販売においては、現在の課題を把握するために有効な質問です。ただし、過去の事実を深掘りしすぎると相手を追求するような印象になることがあるため注意しましょう。
例:「これまでのインテリアは、どのような色合いや素材、機能性を重視されていましたか?」
一方、未来質問は将来の目標や希望などを相手に話してもらうための質問です。会話が弾みやすい長所があります。お客様の理想とするイメージを知るのに有効です。
例:「新しいインテリアはどのようなスタイルをイメージされていますか?」
過去質問にあまり答えてもらえなければ未来質問に切り替えるなど、状況に応じて使い分けましょう。
肯定質問・否定質問
肯定質問は、肯定的な言葉を使うポジティブな問いかけで、相手の意思を引き出す質問です。肯定的な答えが返ってきやすいため会話が弾む長所があります。また、原因の明確化に有効です。
例:「こちらのようなシンプルでスタイリッシュなスタイルがお好きですか?」
「いつ頃から、計画されるご予定ですか?」
否定質問はネガティブな言葉を使う問いかけです。過去質問と同じく原因の明確化に有効ですが、単体ではモチベーション低下の恐れがあるため肯定質問と合わせると効果的です。
例:「こちらのスタイルは地味ではないですか?」
「まだ、ご予定はお決まりではありませんか? いつ頃をイメージされていますか?」
質問力を鍛える方法
質問は内容だけでなくタイミングも重要です。しかも、そのときの会話の流れによってベストな質問は異なります。そのため、現場で仕事をしながら質問力を鍛えることが早道です。以下に職場で質問力を鍛える方法をご紹介します。
質問力の高い人を真似する
どのような世界でも上達の近道はできる人の真似をすることです。お客様との会話が上手な上司や先輩の質問を真似することから始めましょう。
まず、質問するタイミングと質問の表現などをよくチェックしてください。何となく見ているだけでなく「顧客との関係性を作る質問」「提案のための情報収集の質問」「新たな気付きを与える質問」と、質問の意図や意味を分類して観察することがポイントとなります。そして良いと思ったら自分でも試してみましょう。
自分への質問を振り返る
自分が受けた質問で良いと感じた質問や、答えやすいと感じる質問などを振り返ってみましょう。逆もしかりです。よくないと感じた質問も振り返ります。なぜそのように感じたのか?理由を以下の4つの観点から考えてみましょう。
・タイミング
・質問の内容
・質問の表現方法
・答えやすさ
そのうえで良い質問のポイントや感じの悪かった質問の特徴をまとめ、日々の業務に活かします。特に、自分がよくないと感じた質問をしないことが大切です。
質問の引き出しを増やす
先輩のお手本にしたい質問や自分が良いと感じた質問をリスト化しておくなど、質問の引き出しを増やしておくことが大切です。
また、営業やマーケティングに活用される「BANT条件」や「3C」などのフレームワークの活用もおすすめです。売れている人は、会話の中で以下の要素をさりげなく聞き出してお客様のニーズを把握しています。それぞれの項目の質問を作ってみましょう。
・BANT条件: 予算・決裁権・ニーズ・導入時期
・3C:顧客・競合・自社
新しく得た情報に疑問を持つ
営業や接客などの仕事で入手する新しい情報や知識に対し、疑問を持つ習慣をつけましょう。常に「本当か?」「なぜ?」「他のやり方は?」など疑問を持つことで、多角的に物事を見る視点が養われます。また、アイデアも生まれやすくなるでしょう。
お客様との対話中も「なぜこの商品が欲しいのかな……もしかしたら本当は〇〇なことを望んでいるのでは?」と、本質的なニーズをつかむ質問や話を広げられる質問が思い浮かぶようになります。
質問の使い分け
質問の種類を理解したうえで、適切なシチュエーションでタイミングよく質問することが大切です。状況によって拡大質問と限定質問、過去質問と未来質問、肯定質問と否定質問の使い分けを意識しましょう。
例えば、営業・接客の場では、初めてのお客様には限定質問で会話のきっかけを作っていき、信頼関係が構築できたら拡大質問、クロージングで限定質問にするなど、自分なりの流れをシミュレーションしておくとよいでしょう。
まとめ
営業や販売に従事している人は「質問力」を鍛えると会話が弾みお客様から好感を持たれます。また、質の高い情報を引き出すことができるため良い提案をすることができます。記事でご紹介した6つの話法をぜひ現場で使ってみてください。
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