店舗を訪問したお客様をおもてなしする「接客」は、店舗の顔ともいえる大切な業務です。しかし、販売に携わるスタッフが多くいると、売上が伸びる人とそうでない人との間で大きな差が生じます。接客スキルに長けていて、販売実績をあげられるスタッフにはどのような特徴や共通点があるのでしょうか。
この記事では、接客が上手い人の特徴や共通点を取り上げるとともに、接客スキルを高める具体的な方法をご紹介します。
目次
接客が上手い人の3つの特徴
接客が上手い人はそうでない人と比べて目立つ特徴を必ず持っています。まずは、接客が上手い人に共通する特徴を3つご紹介します。
人と接するとが好きである
現場で接客をおこなうと、毎日不特定多数のお客様と接します。このため、人に興味があって、人と接すること自体が好きであれば、自分自身も楽しみながら仕事に取り組むことができます。
「好きこそ物の上手なれ」というように、人と接することが好きな人は、接客に対する適性があると考えてよいでしょう。
場の空気を読んで柔軟な対応ができる
周囲をよく観察している人は、場の空気を読んで的確な対応をしています。具体的には、相手が悩んでいることをすぐに察知して具体的な提案をしたり、相手の視点に立って「やってほしいこと」を相手から言われる前に提供することができます。
このように「相手に寄り添うこと」が接客の基本であり、接客が上手い人はお客様の小さなサインを見逃さず、その場に応じて最適な行動をとっています。常に視野を広く持ち、細かいところまで観察することが大切です。
知的好奇心が旺盛で知見が広い
接客では老若男女問わず、多様なお客様の対応をしなければなりません。自社商品の知識を深めるのはもちろんのこと、ニュースやトレンドにも普段から関心を持っておくべきでしょう。接客が上手い人は、お客様のさまざまな悩みに的確に回答できるよう、幅広い知識を備えています。
また、商品知識が豊富であればあるほど、接客時の説得力が増します。お客様から何を質問されても答えられるくらいの商品知識を持っていれば、ショップの顔として自信を持って接客することができます。
接客が上手い人の5つの共通点
接客が上手い人には以下のような共通点があり、それはテクニックによって伸ばしたり改善することができます。スタッフ一人ひとりが自分の性格や特徴を把握したうえで、接客が上手い人に共通する点を学べば、多くの人が接客スキルを高めることができるでしょう。
清潔感のある身だしなみ
心理学者のアルバート・メラビアン氏が提唱した「メラビアンの法則」によると、人と人とのコミュニケーションに影響を与える割合は、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%とされています。視覚情報による影響が最も大きいことから、スタッフの表情や身だしなみは接客時の印象に多大な影響を与えると考えられます。
接客において清潔感のある身だしなみは最低限のマナーといえます。身だしなみを整えて笑顔で接客することがスキル向上への第一歩です。笑顔をつくるときは、自然に口角を上げて目元のゆるみを意識するだけでも、お客様に与える印象がワンランクアップするでしょう。
聞き上手
聞き上手であることも重要な接客スキルの一つです。おしゃべりが上手な人が接客向きという一般的なイメージもありますが、実際にはお客様の話を上手に聞けるスタッフこそが接客スキルが高いといえます。人間は「聞きたい」よりも「話したい」という欲求を強く持つため、接客においてもお客様の「話したい」気持ちを満たしたほうが購買につながりやすいのです。
聞き上手になるための参考となるのが、心理学者のカール・ロジャーズ氏が提唱した「ロジャーズの3原則」です。接客時には以下の3点を意識するとよいでしょう。
1.共感的理解:相手の立場に立って共感しながら理解しようとすること
2.無条件の肯定的関心:相手の話を否定せず、肯定的な関心を持って聞くこと
3.自己一致:真摯な態度で真意を確認すること
高い提案力
お客様が商品を購入する目的、購入した後の様子を想像できるスタッフであれば、一人ひとりの用途に合わせた提案をすることができます。重要なのは、お客様がその商品を利用して、どのようなベネフィットを得られるのかイメージすることです。お客様に対して、その商品を使っている未来の自分の姿が思い浮かぶような提案ができれば、購買に結びつきやすいでしょう。
抑揚をつけた話し方
接客時の話し方に抑揚をつけると、相手の関心を引きつけたり重要な部分を強調できたりと、さまざまな効果があります。どんなに商品知識が豊富でも、口調が一本調子であったり早口になったりすると、話の内容が相手に伝わりにくくなります。この点、接客が上手い人は抑揚をつけたリズムのある話し方で、自然とお客様の理解を促進しています。
適切なアイコンタクト
互いに目を合わせる「アイコンタクト」は、適度な距離感を保ちつつも、相手を歓迎する意思表示となります。接客時に適切なアイコンタクトをとることは、お客様に安心感を与えるとともに、信頼関係の構築にもつながっていきます。
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接客のスキルアップ方法
接客のスキルアップを目指すための具体的な方法を以下にまとめました。
先輩や同僚からフィードバックをもらう
接客が上手い人に自分の接客を見てもらいフィードバックを受けることで、修正すべき点が明らかになります。同じ店舗内で接客の改善を話し合うことは、個々のレベルアップに直結し、同時に店舗全体のレベルの底上げにもつながります。
また、接客スキルを高めるには、接客が上手い人の対応をまねることがポイントです。よいところはどんどん盗み、自分の接客に取り入れましょう。
他の店舗で自分が接客を受けてみる
接客スキルを学ぶには、同じ業種の別の店舗を訪問し、自分が客として接客を受けてみるのもおすすめです。特に競合店舗を訪れると学びも多く、他人の優れた接客をまねることがスキルアップの第一歩となります。
また、接客を受ける経験を重ねることで「このタイミングで声をかけられるとスムーズに会話できる」などの気づきを得られます。このような感動体験を増やし、自分の接客に反映させていくことが大切です。
接客に関する知識を学ぶ
接客サービスの能力を判定する「接客サービスマナー検定」は、初心者が一通り接客の基本を学ぶのに向いている検定試験です。検定取得を目指す学びを通して、接客の基本やビジネスマナー、クレーム対応まで幅広い知識技能を身につけることができます。
ただし、接客知識はあくまでも基本であり、現場ではイレギュラーも起こり得ることを認識しておかなければなりません。知識を重視するあまり、マニュアル通りの接客にならないように注意が必要です。
話し方を工夫する
声のトーンを使い分けることで相手に与える印象は大きく変わり、やや高めの声で明るく話しかけるだけでも親しみを抱いてもらいやすくなります。視線が下がるとうつむき加減になり、暗い印象を与えてしまうため、目線を上げて話しかけることが大切です。
また、重要な内容を伝えるときは話すスピードを落とすことで、お客様も「ここは重要なポイントだ」と気づきやすくなります。そのほかにも、口をしっかり開けて一語一語丁寧に発声する、相づちを相手に応じて臨機応変に使い分けるなど、基本的な話し方・聞き方の工夫を身につけておきましょう。
まとめ
販売に携わるスタッフにとって接客スキルは店舗の売上に直結するものです。商品・サービスの品質にどれだけ自信があっても、接客の印象が悪ければ売上にはつながりません。個人の接客スキルを向上させることは、店舗全体にも良い影響をもたらすでしょう。記事で取り上げたスキルアップの方法を参考に、接客スキルの向上に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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