リラックスできる部屋や自分の理想の部屋を作るには、インテリアの色使いが大きなポイントです。全体的な色調のバランスをとることが重要であり、このとき考えなければいけないのがカラースキーム(色彩計画)です。
カラースキームと聞くとイメージが沸かず、難しいと感じる方もいるでしょう。しかし、色の基本的な配分ルールなどを理解すれば、プロでなくてもセンスを感じさせるすっきり洗練された部屋を演出できるようになります。この記事では、カラースキームの基本やリラックスできる部屋づくりのポイントをご紹介します。

目次
カラースキーム(色彩計画)とは?
カラースキーム(色彩計画)とは、室内の色彩を部屋のコンセプトに合わせて計画的に決めることを指します。具体的には、部屋のどの部分に・どのようなカラーを・どのくらいの割合で配分するかを決めることです。
好きな色だからと無計画に色彩を配置すると、ちぐはぐで違和感のある部屋になったり、地味になりすぎてしまったりすることがあるので、インテリアの理想的な色数や配色バランスを知ることはとても重要です。
例えば、天井や壁、フロアの色は面積が広く部屋の印象を決めるポイントになるため、全体に占めるスペースのバランスを踏まえて、カラースキームを考えることが大切です。
カラースキームの基本
カラースキームの基本は、①ベースカラー、②メインカラー、③アクセントカラーの3種類を決めることから始まります。
①ベースカラー
ベースカラーとは、天井や壁、フロアの色です。
耐用年数も長く部屋全体の60~70%程度を占めるスペースなので、飽きのこないベーシックな色彩を選びましょう。
代表的なカラーは白やアイボリーです。さまざまな色彩と馴染みやすく初心者でも取り入れやすい色です。
②メインカラー
メインカラーとは、テーブルやソファ、カーテン、キャビネットなどの色で、全体の25~30%のスペースを占めます。ポイントは下記のとおりです。
- ・目立ちすぎず暗くなりすぎない色を配置する
- ・できるだけ同系色でまとめる
例えば、カーテンと大きな家具のトーンを合わせると、部屋全体に統一感を持たせることができるでしょう。
③アクセントカラー
アクセントカラーとは、ファブリックや雑貨、小物の色です。全体の5~10%の割合にすぎませんが、アクセントカラー次第で部屋の雰囲気はガラリと変わります。次を押さえましょう。
- ・目を引く強い色彩を選ぶ
- ・明度差や彩度差をつける
ベースカラーやメインカラーとは違ったカラーを敢えて選ぶことで、インテリア全体の完成度がアップします。
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基本となるカラーの特徴
色彩には、強い感情や身体の反応を引き出すその色特有の性質があります。カラースキームを考える際は、基本カラーの特性を理解しておきましょう。
各色の使い方も合わせて解説します。
黒・グレー
黒やグレーはやや重い印象がありますが、重厚感や高級感をイメージさせる性質があるので、部屋に落ち着いた雰囲気を演出できます。
ただし黒はかなり強い色なので、狭い部屋で使う場合は家具の脚部を黒で揃えたり、黒のアートフレームやランプを取り入れたりするなど、アクセントカラーとして用いることがおすすめです。
白
空間を広く見せる効果があります。すっきりした印象や軽やかなイメージは誰からも好まれるため、住宅での使用率が際立って高い色です。
ベースカラーとして用いると、全体をスッキリとした印象を与えられます。
ベースカラーとは?インテリアにおける配色の基礎と色使いのコツを紹介|ボーコンセプト・ジャパン採用サイト
青・水色
青には気持ちを落ち着かせる効果があります。澄んだ色彩は広大・誠実・自由などをイメージさせます。家の中では寝室に用いられることが多い色ですが、リビングなどのメインカラーにも適しています。
ネイビーブルーをメインにすると静かで落ち着いた印象に、ターコイズブルーやスカイブルーなどは青空や南国を連想させ開放的な印象になります。グレイッシュブルーなどの控えめな青は、部屋に優しい雰囲気を出す効果があります。
赤・オレンジ
元気、やる気を喚起させる色です。実際に人の血圧を上げたり、血行がよくなったりすることが研究でわかっています。
暖かみを感じさせる色彩なので子供部屋や北側の部屋で用いたい色です。ただし、狭い部屋で赤やオレンジを用いると窮屈に感じるので、アクセントカラーで用いる方法も選択肢の1つです。
リラックスできる部屋を作るためのカラースキームのポイント
カラースキームを活用して、リラックスする空間を作ることも可能です。具体的には、次の方法があります。
- ・自然素材の北欧家具を取り入れる
- ・アースカラーを多く用いる
- ・ファブリックでアクセントカラーを楽しむ
- ・同系色はトライアングルに配置する
- ・低彩度を意識する
それぞれ具体的に解説します。
自然素材の北欧家具を取り入れる
1つ目が、自然素材の北欧家具を取り入れる方法です。
木材やリネンなどの自然素材を活かした北欧家具を置くと、自然の色合いを部屋に取り入れることができます。北欧家具はシンプルで飽きのこないデザインでありながら、機能的でもあるため、リラックスできる快適な部屋を実現するアイテムとしておすすめです。
北欧デザインとは?特徴と日本人に人気な理由を解説|ボーコンセプト・ジャパン採用サイト
アースカラーを多く用いる
大地や空、植物などの自然物をイメージしたアースカラーを多く用いると、リラックスできる空間づくりにつながります。アースカラーは人間が本能的に落ち着くことができる色で、ブラウンやブルー、カーキ、ベージュなどがあげられます。
若干くすんだトーンのほうがよりナチュラルな雰囲気を演出できるでしょう。
ファブリックでアクセントカラーを楽しむ
アクセントカラーを用いる際は、ファブリックに取り入れましょう。
ラグやクッションカバーにアクセントカラーを用いると、効果的に部屋の印象を変えることができます。色はお客様の好みや気分でチョイスしましょう。
また、春夏は爽やかに映るグリーンやブルー系、秋冬には暖色系のクッションカバーに変えるなど季節や気分でカラースキームを楽しむのも1つです。
同色系はトライアングルに配置する
アクセントカラーを効果的に配置するためには、「トライアングル配置」の原理を活用しましょう。同じ色のアイテムを部屋の中で三角形を描くように配置することで、視覚的なバランスが整い、統一感のある美しい空間を作ることができます。
低彩度を意識する
くすんだ色調を壁や床などの広い面積で活用することで、落ち着いた上質な空間を作り出せます。
原色などの彩度の強い色は視覚的に刺激が強すぎるため、アクセントカラーを選ぶ際も低彩度の色を選択することをおすすめします。これにより、全体的に調和の取れた、居心地の良い空間を実現できます。
カラースキームを考えるうえでの注意点
カラースキームを考える上での注意点をまとめました。
天井
天井に明るめのカラーを配置すると天井が高く感じられます。逆に、壁やフロアと比べて暗い色を天井に配置してしまうと、天井が低く感じられ圧迫感が出てしまいます。
壁
壁の一面だけに、アクセントカラーとして濃い色を用いると空間にメリハリが出せます。フロアのカラーと比べて目立つ色彩ならより効果的です。
壁の一面だけに自分好みの色彩を使うことで、個性を演出できます。
フロア
フロアに明るい色を配置すると開放的な印象になり、部屋全体を広く感じさせる効果があります。逆にフロアに暗めの色を配置すると重厚感があり、落ち着いた印象になります。ただし、暗めの色はやや窮屈な印象を与えることもあるので注意が必要です。
カラースキームの作り方
カラースキームの作り方は大きく分けて2つの手順に分けられます。
- 色の組み合わせを考える
- カラーパレットを作成する
それぞれみていきましょう。
色の組み合わせを考える
写真やツールを活用して、色の組み合わせを考えましょう。インスピレーションを受けるためには、印刷されたデザイン、インテリアデザイン、ファッションなどを見て色彩感覚を磨くことが重要になります。他にも、下記のツールを活用して色のインスピレーションを受ける方法もあります。
- ・Behance
- ・Dribbble Colors
上記を活用して、色の組み合わせを考えることがカラースキームの一歩です。
カラーパレットを作成する
カラーパレットとは、デザインプロジェクトで使用する色の組み合わせをまとめたものです。統一感のある美しい空間を作るためには、事前に計画されたカラーパレットが不可欠となります。
おすすめのツールは下記のとおり。
- ・Coolors
- ・Material Design Color Tool
これらのツールを使用することで、色彩理論に基づいた調和のとれたカラーパレットを効率的に作成できます。
カラースキームのスキルを活かせる職種
色彩知識は多様なインテリア関連職種で重要な役割を果たします。以下では、カラースキームの専門知識を最大限に活用できる具体的な職種をご紹介します。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、住宅や商業施設の室内環境を総合的にコーディネートする専門職です。具体的な仕事内容は下記のとおりです。
- ・お客様のライフスタイルや好みに合わせた空間提案
- ・家具、照明、カーテン、カーペットなどの選定とレイアウト設計
- ・予算に応じた商品選択とコスト管理
- ・施工業者との連携による工事監理
お客様への提案において、色彩心理学に基づいた配色提案は非常に重要です。例えば、リビングでは温かみのある色調でくつろぎ感を演出し、書斎では集中力を高める寒色系を取り入れるなど、空間の用途に応じた戦略的な色彩設計が求められます。
【事例つき】インテリアコーディネーターの仕事内容とキャリアパス|ボーコンセプト・ジャパン採用サイト|ボーコンセプト・ジャパン採用サイト
照明デザイナー
照明デザイナーは、光を使って空間の雰囲気や機能性を向上させる専門職です。同じ色でも照明の種類や背景色によって見え方が大きく変わるため、色彩理論の深い理解が不可欠です。
電球色、昼白色、昼光色など光源の色温度特性を理解し、素材の色が適切に表現される照明環境を設計する能力が求められます。
カラーコーディネーター
カラーコーディネーターは、色彩心理学と美学理論を実践的に活用する専門職です。独立して働くのではなく、知識を活かして下記の業界で活躍するケースがほとんどです。
- ・インテリア・住宅業界での配色コンサルティング
- ・ファッション業界でのスタイリング提案
- ・商品開発における色彩戦略立案
- ・企業のブランドカラー設計
色相、明度、彩度の関係性を深く理解し、クライアントの要望に応じて最適な配色を科学的根拠に基づいて提案する能力が重要になります。
カラーコーディネーターの仕事内容とは?年収や向いている人を解説|ボーコンセプト・ジャパン採用サイト
インテリアデザイナー
インテリアデザイナーは、空間そのものを設計しデザインする高度な専門職です。既存家具を用いるのではなく、 空間を設計段階からデザインし、建築的要素も含めて総合的にプランニングするのがメインです。
建築空間全体の色彩計画を担当するため、構造材の色から仕上げ材の選定まで求められます
まとめ
カラースキームは、美しい理想の部屋を作るうえで重要なポイントです。昔から、インテリアの配色の黄金比として「60:30:10の法則」「70:25:5の法則」が知られています。ベースカラーやメインカラー、アクセントカラーの配分を意識して色を決めていくと、すっきりと洗練された部屋になっていくので、ぜひ実践してみてください。
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