近年は、教育の現場で活用されている「パフォーマンス評価」に注目する企業が増えています。パフォーマンス評価とは、知識の理解度よりも、知識や技能をいかに使いこなせるかを重視する評価手法です。
実用性が高いため、今後多くの企業に導入されていく可能性があります。企業人事はもちろん、従業員の方もパフォーマンス評価について理解しておきましょう。働く立場の人にとって、人材評価の指標を知ることは、自分の評価や報酬のアップや昇格などにつながる重要事項です。
この記事では、パフォーマンス評価とはどのような評価手法か?そのポイントとメリット・デメリットをご紹介します。
目次
パフォーマンス評価とは?
パフォーマンス評価とは、1980年代に米国でトップダウン型教育に対する批判から生まれた評価手法です。知識や技能を使いこなせるかどうかを実際の活動を通して評価する手法であり、米国では、正解のない問題の最適解を他者とともに作り上げるカリキュラムも同時に重視されるようになりました。
日本の学校では、生徒が自ら課題を設定しプレゼンなどをおこなう探究学習によく用いられます。
一方、ビジネスの世界でも「パフォーマンス評価」という言葉は、成果主義人事マネジメントの評価手法として使われています。こちらは、個人やチームの目標達成度やスキルを評価することを指します。「業績評価」「パフォーマンスレビュー」と同じ意味です。
両者はパフォーマンス評価という点では同じですが、異なる場においてそれぞれが独自の発展をとげてきました。そして、近年はビジネス領域において、学校教育のパフォーマンス評価の手法を取り入れようとする動きが出始めています。
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パフォーマンス評価の目的
まず、企業がパフォーマンス評価を実施する目的から解説します。
目標管理
企業において、パフォーマンス評価は業務上の目標管理のためにおこなわれます。目標に対する成果の達成状況に応じて従業員の業務の調整やサポートをおこない、個人の成果の向上と企業全体の業績向上につなげることが目的です。
フィードバックの提供
パフォーマンス評価をおこない、評価者が対象者に長所や強み、優れた行動などを指摘することで、従業員のスキルが向上することが目的です。
処遇の決定
貢献度に応じて公平な評価と処遇をおこなうことが目的です。従業員の能力や業績を評価した結果は、昇進・昇格の判断や、給与・賞与など報酬の決定に使われます。
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パフォーマンス評価のメリット
企業が、学校教育で実施されているパフォーマンス評価を導入するメリットは以下の3点です。
パフォーマンスの向上
パフォーマンス評価では、結果だけでなく実際の行動をベースに多面的な評価をおこなうため、問題点や改善ポイント、本人の強みを的確に把握できます。そのため、パフォーマンスが向上することが期待できます。
目標の明確化
評価項目の設定を通じて、達成すべき目標が明確になります。従業員にとっては、目標達成に向けてのロードマップが見えやすくなるため、目標達成意識が強まることが期待できます。
従業員エンゲージメントの向上
客観的で多面的な評価基準が設定されるため、パフォーマンス評価を通して自分の仕事ぶりや成果を多角的に捉えることができます。評価に対して従業員一人ひとりが納得感を持つことができれば、従業員エンゲージメントも向上します。
パフォーマンス評価のデメリット
一方、パフォーマンス評価にはデメリットもあります。以下2点を考慮して導入することが望ましいでしょう。
評価基準作成に手間がかかる
パフォーマンス評価の最大のデメリットは、評価基準の作成に多大な労力を要する点です。一般にルーブリックという手法を使います。
※ルーブリック・・・学習の達成度を表を用いて測定する評価方法
例えば「プレゼンテーション」に対する評価をおこなう場合「構成」「プレゼンの内容」「発表の仕方」「資料の見やすさ」など4項目を設定し、さらに4段階の評価基準をわかりやすく設定しなければなりません。多面的な評価をおこなう分、評価する側に負担がかかります。
主観によるバイアス
パフォーマンス評価は、詳細な評価指標があるため個人のバイアスが入りやすいという短所があります。よくフィギュアスケートに例えられますが、美しさやアピール力、独自性などはビジネスでも重要であるものの、評価項目にすると主観に左右されがちです。
商品企画やデザイン、宣伝といった領域なら有効性が高くても、職種によっては理由が不明瞭な評価によって、かえって従業員のモチベーションが下がることもありえるでしょう。
パフォーマンス評価の現場への導入方法
ここでは、パフォーマンス評価をビジネスの現場に導入するステップを解説します。
ステップ(1):目的の明確化
業務遂行を通じて目指すべき目的を明確化します。なぜ、その業務が必要なのかを意識して決めましょう。目的に応じて評価項目の設定も変わるので、ここが一番重要です。例えば、育成が目的であれば難易度の高い評価項目が望ましく、成果評価に主眼を置くのであれば現実的な評価項目が望ましいからです。
ステップ(2):評価基準の作成
目的に合わせて、評価項目と評価基準を作成します。目的を達成するために必要な要素を整理して、優先順位の高い要素を評価項目とします。さらに評価項目ごとに「A~D」「1~4」などの評価基準を決めます。客観的な評価軸を作ることで、評価の公正性を確保します。
ステップ(3):評価の実施
評価期間の終了後に、目的に対する達成状況の評価をおこないます。上司による評価だけでなく、自己評価をおこなうことも重要です。また、360度評価などのように部下や同僚からの評価もあると本人の納得感もより高まるでしょう。
ステップ(4):フィードバックの実施
評価に対してフィードバックをおこないます。なぜそのように評価されたのか?どこが高く評価されてどこが改善点なのか?今後の業務に対する取り組みで期待する点は何か?など、アドバイスを具体的に真摯に伝えることが重要です。納得できるフィードバックはその後のパフォーマンス向上につながります。
まとめ
ビジネスの現場では知識が豊富なことも大事ですが、それ以上に知識や技能を使いこなし、行動して成果を出せることが重要です。そのため、パフォーマンス評価はこれからますます多くの企業で重要視されていくでしょう。
従業員の立場の方は、できるだけ公平な評価基準のもとで働きたいと考えるでしょう。ただ、企業の人事評価は、スポーツの順位や偏差値と違って明快でないことがよくあります。企業によって評価基準もかなり異なります。これは良い悪いではなく、人材に関する考え方が各社の評価手法にあらわれるためです。
そのため、まずは自社の評価制度を知ることが大切です。就職活動をしている方なら、自分が納得できる評価制度の企業を選ぶことが、入社後のやりがいやキャリアアップにつながるでしょう。
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