未経験の業界に転職するには？成功させるポイントや注意点を解説

業界未経験でも転職は可能

転職における未経験には、「完全未経験」「業界未経験」「職種未経験」の3種類があります。このうち、完全未経験と職種未経験に関しては応募可能な求人が少ないのが実情です。しかし、業界未経験に関しては応募可能な求人が比較的多い傾向にあります。選考においても業界未経験がそれほど不利になることはなく、転職は十分に可能です。

業界未経験者を募集する理由

企業が業界未経験者を募集する理由が気になる人もいるでしょう。転職を成功させるためには、求人を出す企業側の意図を理解しておくことが大切です。では、主な理由を見ていきましょう。

事業拡大・業績好調による人員増強

企業の製品やサービスの需要が高まっている場合や業績が好調な場合、より多くの人材が必要になります。このような状況では、経験者だけに絞った求人では十分な数の応募が集まりません。そのため、応募条件を緩和して未経験者を募集することがよくあります。即戦力を求める場合でも、新卒よりも社会人経験を重視することが多いです。

他業種で培った経験・スキルの重視

募集している仕事が他業種で培ったスキルや経験を活かせる内容であれば、業界未経験者を募集することもあります。同じ職種の仕事を経験していれば、業種が異なっても活かせる面が多いです。また、別の業種で働いていた人が入社することで、既存の社員に新たな発見をもたらし、会社に新しい風を吹き込むことが期待されることもあります。

人柄や理念・ブランドへの共感を重視

接客を伴う仕事では、ホスピタリティやサービス精神が最も重要視されます。同じ業界での業務経験は、それほど重視されません。業界未経験でもホスピタリティやサービス精神が旺盛であれば、企業にとって貴重な人材となります。さらに、企業理念や自社ブランドへの共感も重要です。経験よりも自社に合う人材を求めている企業も多いです。

未経験者でも活躍できる教育体制

社内で教育体制が整っている企業なら、未経験者でも問題ありません。むしろ、経験者を採用するよりも未経験者を採用して一から育て上げる方針の企業もあります。社会人経験があれば、新卒ほど手間やコストがかからないため、教育体制が整っている企業では、入社後の資格取得支援などスキルアップのサポートも手厚いことが多いです。

未経験でも転職しやすい職種

業界未経験で転職しやすいかどうかは職種による影響が大きいです。特に販売職と営業職は、業界未経験でも転職しやすい傾向があります。それぞれの職種が未経験でも転職しやすい理由を見ていきましょう。

販売職

販売職は専門資格が特に必要ありません。さらに、経験不問で募集されている求人が多く存在します。業務マニュアルも整備されていることが多いため、入社後も仕事のやり方がわからず困ることはほとんどありません。これにより、未経験でも始めやすい仕事の一つとなっています。

販売職ではコミュニケーションスキルや傾聴力、人柄などが重視される傾向があります。これらのスキルは経験の有無に関係ないため、未経験でも不利になることは少ないでしょう。

営業職

営業職には法人・個人、ルート・新規、メーカー・代理店などさまざまな種類があります。活躍できる業界も幅広く、求人数も多いのが特徴です。未経験で応募できる求人も多数あります。

営業職は、営業先の人と会って商品やサービスに関する説明や提案を行うのが主な仕事です。そのため、販売職と同様にコミュニケーションスキルや傾聴力、人柄などが重視されます。これにより、経験がなくても活躍できる可能性は十分にあります。

未経験での転職を成功させるためのポイント

未経験で転職しやすい職種でも、簡単に転職できるわけではありません。しっかりと準備をして転職活動に臨む必要があります。では、業界未経験で転職を成功させるためのポイントについて見ていきましょう。

転職の軸を明確にする

面接の際には、未経験の業界に転職したい理由を尋ねられることが多いです。面接官を納得させる理由を説明できるようにしておくことが重要です。そのためには、転職の軸を明確にしておく必要があります。現在の職場に対してどのような不満を抱いているのか、転職でキャリアに関する悩みを解決できるのかが重要です。転職の軸を明確にすることは、面接対策だけでなく、自分に合う職場かどうかを見極める上でも役立ちます。

ポータブルスキルを身につける

ポータブルスキルとは、汎用性の高いスキルのことです。主にコミュニケーションスキルや論理的思考力、傾聴力などが該当します。専門的なスキルの場合、職種や業種が変わると活用できる機会が減ることもあります。しかし、ポータブルスキルならあらゆる職種や業種で活用しやすいのが特徴です。業界未経験で転職する際には、ポータブルスキルが強みになります。

基本的なビジネスマナーを確認しておく

仕事をする上で、業務に関するスキルや知識以上にビジネスマナーが重要です。転職の面接でも、ビジネスマナーがきちんと身についているかどうかが見られます。他業種で働いていた場合でも、ビジネスマナーが身についていると思っている人が多いでしょう。しかし、おろそかになっている部分もあるかもしれません。面接に臨む前に今一度ビジネスマナーを確認しておくことが望ましいです。

必要に応じて資格を取得しておく

転職先の業界に関連する資格を取得しておくことで、経験がなくても一定の知識があることを証明できます。資格を取得するには相応の勉強が必要なため、意欲があると評価されることもあります。また、資格取得の勉強で基礎的な知識が身についていれば、入社後にも役立つことが多いです。実際に業務に就いたときにも、実務をスムーズに覚えることができます。

未経験の業界に転職する際の注意点

未経験の業界に転職する際には、注意すべきことがあります。以下の点を認識した上で、転職するかどうか決めましょう。

採用倍率が高くなりやすい

未経験でも応募できる求人は、経験者限定の求人と比べると応募の間口が広がります。そのため、応募者が多く集まりやすく、結果として倍率が高くなる点に注意が必要です。少ない採用枠を多くの応募者が競うため、採用のハードルも上がります。この中で採用されるには、相応の対策が必要です。

転職直後は年収が下がる可能性もある

未経験の場合、給与が低めに設定されていることがあります。そのため、転職直後は前職と比べて年収が下がる可能性があります。最初のうちは戦力になりづらいため、これは致し方ないことです。しかし、転職後に経験を積むことで、活躍できるようになれば給与が上がる見込みは十分にあります。

現在の仕事を辞めずに転職活動をする

現在の仕事を辞めて転職活動に専念することもできますが、これはリスクが高いためおすすめできません。スムーズに転職先が決まらなかった場合、収入が途絶えてしまいます。焦るあまり、条件の良くないところに転職してしまう可能性もあります。そうならないようにするためには、転職先が決まってから現在の仕事を辞めるという順番にするのが望ましいです。

まとめ

企業では人員増強や他業種で培った人材を取り入れるため、業界未経験の求職者を採用するケースがよくあります。特に販売職や営業職は、未経験者でも応募できる求人が多く、転職しやすい職種です。ポータブルスキルを身につけたり資格を取得しておいたりして、転職活動に臨みましょう。