店舗の売上や利益を伸ばすには、ロイヤルカスタマーの重要性が高まっています。現時点でロイヤルカスタマーが少ない場合は、今後の育成が重要です。ロイヤルカスタマーの存在によって、今後のビジネス展開も大きく変わるでしょう。本記事では、ロイヤルカスタマーの定義や注目される背景、育成方法について分かりやすく解説します。

目次
ロイヤルカスタマーとは
ロイヤルカスタマーとは、自社の商品やサービスに強い忠誠心を持ち、長期間継続して利用してくれる顧客を指します。ここで「ロイヤル」は「Royal(王位)」ではなく、「Loyal(忠誠)」が語源です。
ロイヤルカスタマーは、他社に簡単に乗り換えず、常に自社を選び続ける点が特徴です。パレートの法則によれば、売上の8割はロイヤルカスタマーによって支えられているとされ、非常に重要な存在です。
ロイヤルカスタマーは優良顧客やリピーターと似ていますが、企業やブランドへの愛着や信頼がより強い点で異なります。
優良顧客との違い
優良顧客とは、購入単価や購入頻度が高い顧客を指します。しかし、ロイヤルカスタマーと違い、自社の商品やサービスに対する心理的なロイヤリティが高いとは限りません。心理的ロイヤリティとは、ブランドへの愛着や信頼のことです。優良顧客は、立地や価格などの条件が変わると、簡単に他社に乗り換えてしまうこともあります。
一方でロイヤルカスタマーは、心理的ロイヤリティが高いため、そう簡単には他社に乗り換えません。
リピーターとの違い
リピーターも優良顧客と同様、ロイヤリティが高いとは限りません。繰り返し利用していても、愛着や信頼がなくてもリピーターと呼ばれます。
リピーターの中には、愛着や信頼がないどころか不満を持ちながらも、乗り換えが難しいため仕方なく利用している場合もあります。例えば、長期契約や解約手続きの手間などが理由です。このようなリピーターは、乗り換えが難しい原因がなくなれば、すぐに他社に移ってしまう可能性があります。
ロイヤルカスタマーが注目されている理由
近年ロイヤルカスタマーが重視される背景には、社会情勢の変化があります。では、どのような状況がロイヤルカスタマーの注目につながっているのか見ていきましょう。
少子高齢化による人口減少
日本は世界的にも少子高齢化が進んでおり、総人口も減少傾向にあります。そのため市場規模が縮小し、新規顧客の獲得が難しくなっています。従来のマーケティング手法だけでは成果を上げにくい現状の中、既存顧客をロイヤルカスタマーへ育成することで、競合他社に対して優位性を保つことができます。
サブスクリプションモデルの増加
近年は従来の買い切り型からサブスクリプション型への移行が進んでいます。サブスクリプションモデルでは継続的な売上が見込める一方、顧客に選ばれ続けることが不可欠です。乗り換えが多いと売上や利益が安定しませんが、自社に愛着や信頼を持つロイヤルカスタマーが多い企業は、サブスクリプションモデルでも安定した成長が期待できます。
ロイヤルカスタマーを育成するメリット
ロイヤルカスタマーを育成することで、社会情勢の変化に対応できるだけでなく、さまざまなメリットがあります。多くの企業にとって、ロイヤルカスタマーの育成は大きな価値があります。では、ロイヤルカスタマーを育成することで得られる主なメリットを見ていきましょう。
売上が安定しやすくなる
ロイヤルカスタマーは長期間にわたり継続して商品を購入したりサービスを利用したりしてくれます。そのため、顧客生涯価値(LTV)が高いのが特徴です。LTVとは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす総利益のことです。ロイヤルカスタマーが多い企業では、安定した売上を継続的に確保できるため、中長期的にも売上が安定しやすくなります。
新規顧客の獲得につながりやすい
ロイヤルカスタマーは、友人や知人に自社の商品やサービスを積極的に勧めてくれることが多いです。その結果、紹介された人が新たな顧客になるケースが増え、マーケティングコストをかけずに新規顧客を獲得しやすくなります。
信頼できる友人からの勧めは、多くの人にとって利用のきっかけになります。広告を好まない層にも自然にアプローチできます。
フィードバックをもらえる
多くの顧客は商品やサービスに不満があっても、何も言わずに他社へ乗り換えてしまうことが多いです。そのため、売上が減少したり解約が増えたりしても、原因が分からない場合があります。
しかし、ロイヤルカスタマーは乗り換えるのではなく、フィードバックをくれる傾向があります。その意見を今後の商品開発やサービス改善に活かすことができます。
ロイヤルカスタマーを育成する方法
既存顧客をロイヤルカスタマーに育てるには、短期間で実現するのは難しく、時間をかけて取り組むことが必要です。ここでは、ロイヤルカスタマーを育成する方法について解説します。
顧客との接触機会を増やす
顧客に自社への愛着を持ってもらうには、積極的なコミュニケーションが大切です。継続的なやり取りを通じて、徐々に愛着や信頼が育まれていきます。そのため、カスタマーサポートを充実させ、顧客が気軽に問い合わせできる環境を整えておきましょう。メールマガジンやダイレクトメール(DM)も効果的です。興味を引く内容のメールマガジンやDMを送ることで、顧客との距離を縮めることができます。
ポイントサービスの導入
ポイントサービスはリピーターを増やす有効な施策です。まだ導入していない場合は、ポイントサービスの導入を検討しましょう。来店回数や購入金額に応じて特典を用意することで、再来店や再購入を促すことができます。
ポイントサービスをきっかけにリピーターとなった顧客の中から、やがてロイヤルカスタマーへと成長する人も現れるでしょう。
定期的なクーポン配布
過去に来店した顧客へ、誕生日特典などのクーポンを配布する方法は効果的です。しばらく来店していない顧客にも、再来店のきっかけになります。定期的にクーポンを配布することで、自社への愛着も深まります。特に誕生日特典は、通常のセールとは異なり、常連として特別に扱われているという印象を与えられる点がメリットです。
アンバサダーマーケティング
アンバサダーとは、自社の商品やサービスを愛用し、広告塔となってくれる有名人などのことを指します。
アンバサダーマーケティングは、アンバサダーに口コミや情報発信をしてもらうマーケティング手法です。SNSなどで自社の商品やサービスについて投稿してもらうことで、多くの人にアピールできます。顧客への影響力が高く、ロイヤルカスタマーに成長する顧客も増えやすくなります。
ロイヤルカスタマーを育成する上での注意点
ロイヤルカスタマーを育成しようとしても、思うように進まない場合もあります。では、どのような点に注意すればよいのか確認していきましょう。
顧客分析が必要
効果的な施策を行うためには、現在の顧客層を十分に分析することが重要です。例えば、LTV(Life Time Value)、NPS(Net Promoter Score)、RFM(Recency Frequency Monetary)などの分析手法があります。
LTVが高い顧客は、すでにロイヤルカスタマーか、それに近い状態の顧客です。NPSは、友人や知人に商品やサービスを勧めたい度合いを点数で評価する指標で、ロイヤルカスタマーに近いほどNPSが高くなります。
RFMは、最終購入日、購入頻度、購入金額の3つの指標を使って顧客を分類する手法です。
ターゲットを明確にする必要がある
ターゲットとする顧客層によって、ロイヤルカスタマーへの育成方法は異なります。LTVの高低とNPSの高低で顧客をセグメント分けしてみましょう。両方が高い顧客がロイヤルカスタマーです。LTVが低くてもNPSが高ければ、今後ロイヤルカスタマーになる可能性があり、ターゲットにしやすい層です。逆にNPSが低い場合は、LTVが高くてもロイヤルカスタマーへの育成は難しくなります。
まとめ
ロイヤルカスタマーがいることで売上が安定しやすく、新規顧客の獲得にもつながります。不満があってもすぐに他社へ乗り換えるのではなく、貴重なフィードバックを提供してくれます。少子高齢化が進む現代社会では、ロイヤルカスタマーの存在がますます重要です。ロイヤルカスタマーの重要性を理解し、まずは自社にもそのような顧客を増やしていくことから始めてみましょう。
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