インテリア業界では、毎年トレンドカラーが発表されます。トレンドカラーは、その時代の世相や人々が心理的・感情的に求めている色が選ばれる傾向があり、いわば世の中にむけた「メッセージカラー」です。自分の部屋のインテリアにも取り入れると、きっと心地よさを感じることができるでしょう。
また、新しいトレンドカラーは素材との組み合わせによって、新たなインテリアスタイルを生み出します。インテリア業界の仕事に関心のある方は、トレンドカラーだけでなくトレンドの素材にも注目しましょう。
この記事では、2024年のトレンドカラーや適した素材やフォルム、取り入れるポイントをご紹介します。
目次
2024年のインテリアのトレンドカラーは「ピーチ・ファズ」と「ハロー!ブルー」
まず、米国の世界的な色見本帳メーカーPANTONE社と、日本流行色協会が発表したトレンドカラーをご紹介します。いずれも日本のインテリア業界に強い影響力を持つ団体です。世界に向けたトレンドカラーと、日本に向けたトレンドカラーを見てみましょう。
ピーチ・ファズ
PANTONE社は、2024年の流行色としてピンクとオレンジの間の色「ピーチ・ファズ( Peach Fuzz )」を選定しました。この色は、思いやりと優しさを示す色です。共感・共存・平和・人生をポジティブに楽しむ必要性を視覚的に表現している色です。
優しいピンクなので性別や年代を問わず好まれます。インテリアに取り入れると空間に温もりとやすらぎ、生命力を表現することができるでしょう。壁紙・ファブリック・インテリア・部屋のアクセントに最適です。
ハロー!ブルー
日本流行色協会が選んだ2024年のトレンドカラーは、モデレート・ブルーともいわれる「ハロー!ブルー( Hello! Blue )」です。現在の時代の混沌や不平不満を浄化し、未来を明るく照らす色とのことです。
キーワードは「冷静」「知性」「平和」「安らぎ」「調和」。静謐な深さとともに明るさ、さわやかさを感じさせる、上品でクリーンな美しさのあるブルーです。気持ちを落ち着かせる色なので、リビングや寝室、キッチンのほかどのような空間にも適しているでしょう。
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2024年に注目されるそれ以外のカラー
「ピーチ・ファズ」「ハロー!ブルー」以外にも、インテリア業界で注目される2024年のトレンドカラーをご紹介します。同じブルーやピンク系統の色であっても、それぞれの色の世界観や空間に与える印象にはまた異なる魅力があります。
ブルー・ノヴァなどのブルー系
米国塗料メーカーのベンジャミンムーアは、2024年のトレンドカラーに「ブルー・ノヴァ」を選定しました。宇宙や夜空の美しさにインスパイアされて生まれた青と紫をミックスさせたこのブルーは、人の視野を広げ冒険心や探求心を刺激します。他にもティールやインディゴなど自然の力を感じさせるブルーが注目されています。
アーシーグリーン
落ち着きをもたらすグリーンは2024年も人気です。特に、自然にインスパイアされた「アーシーグリーン」が注目されています。例えば、英国の老舗壁紙ブランドのグラハム&ブラウンが選んだ「ヴィリディス」はくすんだ深みのあるグリーンが人気です。アーシーグリーンは、他のアースカラーと同じように、地球や自然とつながっている感覚を思い出させるパワーがあります。
ニュートラルカラー
ニュートラルカラーはいつの時代も人気で、2024年もトレンドカラーになっています。特にオフホワイトやバターなどの柔らかな色合いは、空間に柔らかさと快適さをもたらすので人気です。例えば、米国塗料メーカーのシャーウィン・ウィリアムズの選択した「リミットレス」は、上品でありながら活力を感じさせる色となっており、部屋のベースカラーに最適です。
パープル系
パープル系の色は、部屋の空間をゴージャスに見せる力があります。インテリアに取り入れるのが一見難しそうに感じますが、色調の違うパープルで統一すると、グラデーションが美しく自然に高級な雰囲気が醸し出されます。意外にピンクやブルー、グリーンとの相性もよく、コーディネートの自由度が高い色でもあります。
控えめのピンクと赤
暖色系も注目されており、特に控えめのピンクと赤が人気です。例えば、前述のベンジャミンムーアはピンクやオレンジ、レッドが混ざった柔らかで美しい色の「トパーズ」と、明るい輝きを放つ赤の「ティーカップ・ローズ」を選びました。英国塗料メーカーのリトル・グリーンは「マスカレード」というソフトピンクを選定しました。いずれも生活空間に楽しさや活力を与える色です。
光沢のあるイエローとオレンジ
光沢のあるイエローとオレンジは、人々に輝きと生命力をもたらす色です。部屋に取り入れるとポジティブな気持ちになれるでしょう。前述のピーチ・ファズとも似た系統のカラーです。米国のケーブルテレビチャンネルのHGTVホームが選んだ「パーシモン」、複数の団体に選定された「アプリコット・クラッシュ」などが注目されています。
ダーク&シックなブラウン系
チョコレートブラウンなど、深みのあるダークでシックなブラウン系統もトレンドです。インテリアに取り入れると、空間に落ち着きと上品さを与えてくれます。もともと茶系はインテリアに活用しやすい色です。ダークブラウンの割合を大きくして重厚感を出したり、ベージュやアイボリーなどと組み合わせたりして優しい空間を作ってもよいでしょう。
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2024年のテーマ
トレンドカラーを取り入れるときは、一緒に素材のトレンドにも注目しましょう。素材とトレンドカラーの相乗効果で、インテリア空間がさらに心地よい空間になります。素材が生み出すフォルムの美しさもチェックポイントです。
リラックスできる快適さ
リラックスできる素材や丸みのあるフォルムは、引き続きトレンドです。これはコロナ禍を機に、家という空間がコミュニケーションの場として再評価されたことが影響しています。インテリア素材の手触りや心地よい質感、ふっくらとした曲線のフォルムは、トレンドカラーとあいまって、さらに空間にリラックス感をもたらします。
サステナブルな天然素材
SDGsやESGという言葉はすっかり認知されました。インテリア領域にも環境保護の意識の高まりによって、サステナブルな天然資源を活用した素材が人気です。木製の家具や麻、竹などの素材でできたアイテムは、部屋にいながら自然との調和を感じさせます。手入れをして長く使うほどに独特の味わいが出るのも魅力です。
遊び心のあるレトロ感
古くから愛されるヴィンテージやヘリテージなども人気のキーワードです。空間にレトロなエッセンスを加えると、古風さと新しさがミックスされた独特の空間が生まれます。アイテムには、クラシックな家具やミラーやレトロなデザインのランプ、ファブリックなどがあります。レトロ風でモダンにアップデートされた家具を配置するのもおすすめです。
2024年に気になる素材
ここでは、2024年の素材のトレンドをインテリアにどのように取り入れるべきかを解説します。トレンドカラーの魅力を引きだす素材を選び、心地よいインテリア空間を作ってみましょう。
手触りのよいブークレ
快適さがキーワードとなる2024年において、家具の手触りは重要なポイントなので、ソファ・チェア・クッションなどのファブリックには手触りのよいブークレがおすすめです。表面に素材の糸のループが出ているブークレは、触ると包み込むような心地よさがあります。ブークレ布地を張ったソファやチェアに座るときっとくつろぐことができるでしょう。
見た目も美しくソフトでスタイリッシュでありながら、空間に温かい雰囲気を出すためリビングルームやダイニングルームなどにも最適です。
レトロ感とモダンさが融合するクロム
インテリアにアクセントとしてレトロ感を取り入れるなら、人気のクロム素材も注目です。光沢のあるクロム素材は、周囲の色や光を反映して魅力ある輝きを放ちます。クロム素材のテーブルやチェアは、クールでスタイリッシュな仕上がりになることが多く、部屋がモダンな雰囲気になります。
レトロ風で近代的なクロム素材を使った花瓶やランプなどの小物を取り入れるのもよい方法です。ちょっとした工夫でノスタルジーとモダンさが融合した空間を演出できます。
まとめ
2024年のトレンドカラーは、くつろげる空間を作り出すブルー系やピンク系の色が人気です。これはコロナ禍以降、おうち時間の充実に目を向ける流れが続いている影響でしょう。
トレンドカラーは、その年の社会情勢や人々の心理を踏まえて発表されます。上手に取り入れると快適な空間を作り上げることができるので、ぜひ活用してください。素材のトレンドもあわせてチェックすると、さらにインテリアコーディネート力がアップするでしょう。
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